私のコミケは通販にて終わり.



と言うことで以上の品を買いました.
ただ見出しにもある通りコミケには行ってませんw なんか聞く話で尻込みしちゃうんですよね.
なのでメロンブックスの通販にて「けいおん!」で検索した結果を発売日の降順でソート,気に入った奴を片っ端からカートに入れて行った次第.


あとここから下は若干のネタバレ含んでるのでご注意を.
で,とりあえず蛸壺屋の"REQIEM 5 A DREAM"が買えたのが幸い.


この蛸壺屋さんの作品は前作(万引きJK生 けいおん部)がネットで話題になったりして,でも私自身はこの時にまだ「けいおん!」の「け」の字も知らなかった.
ただその後で実物をとある友人経由で見せてもらって「救いの無さ」が個人的には気にいったんですよ.
大体の場合で「好きな作品」とか「好きな登場人物」が批評とかそんな感じになると,人って言うのはそれに対して文句を言ったりとかすると思う.
私にも少なからず,そう言うケはありますし.
ただ,私の場合は一番好きな物書きが大塚英志という事もあって,ひねくれた作品ていうのかな? 大多数の作品が迎えるであろうハッピーエンド(若しくはそれに準ずる)ではない終わり方をする作品と言うのが好きなんですよね.だから上にも書いた様な「救いの無さ」を含んだ前作はとにかくエロ一辺倒に傾くことの多い18歳未満禁止の同人誌にあって「ある意味」希少だと思います.それに,よくも悪くも話題になると言うのは物書きにとって重要なことだと思うし.
#陵辱的な〜 と言う意味での「救いの無さ」とは別.


さて.そんな訳で今作なんだけど,やはり個人的には話が秀逸だな! ってのが感想.話として必要なことがすべて描かれ,それでて同時に纏まってるから.


さて前半の1/3位でどうしようもない位にマゾとなってしまった憂を唯がイジメる話なんだけど,ここまでマゾに仕立てると言うのはある意味あっぱれだと思う.バランスを崩しかけた拍子に顔面を踏まれて後頭部を叩きつけられる.鼻血まで出すほどなのに憂いは嬉しそうで,なおかつ唯のセリフを見る限り常習化してる気配と言う絶妙な展開.
その後,バンドの練習のシーンを挟んで真っ黒い澪の話.嫉妬する女性(男でも言える事だけど)の心理描写がこれまた絶妙に描かれていると思う.けれど,その澪を説得する律がまた良いこと言ってるわけですよ.ストーリーに思いっきり振れるからセリフは割愛するけどね.まあ,ギリギリの所で持ち直した澪から梓の家のことにネタが映り,そのまま梓の未来(?)の話.ここの喧嘩のシーンは中々面白く,まさかギターを武器にするとは! と感心したり.
場面転換がもう一回あって,律澪でのカラオケシーン.この辺りだと作中ではもう学校を卒業してるのかな? ただここからのシーンを見るとある意味,澪ってアクティブだよな.負の方面に向かってだけどさ.
で,社会人になった澪と律.澪は総合商社っぽい感じだけども,律は前作同様に運輸関係・・・と言う場面で少し話を勧め,またの場面転換を挟んでアーティストとしての唯が登場するんだけど,ここで登場する第三者のアーティストがこれまた面白い.特に後者のアーティストに対しては私も同意だな.世界的に見たら日本で幾ら売れてもたかが知れてると思うしね.
あとは唯と作詞家との間での話をちょっと.
ここで,それDTAの真似?!って場面があってここはちょっと大爆笑させてもらった.


そしてこの辺りからクライマックスに向けて一気に突っ走る.


とある状況になった澪が金を手に入れる.そのことが原因ですっかり自堕落(と言うよりも病んでると言った方が適切か)となってしまい,放課後ティータイム時代のコスチュームを常用する始末.この辺りは意味的に考えて前作とクロスオーバーしていると意識した方が良いかもしれない.こういう物語の絡め方は良いぞ.その上病んでしまった果てに飲食に傾くってのは大いにありそう,特に女子だと.
それにニヤニヤ動画の閲覧者は別の意味で確かに楽しめたと思う.その楽しめたニヤニヤ動画の人たちのセリフを見て絶望感のみとなった澪の打ち拉がれ方へのつながり方が好きです.


で,ラスト.


個人的には「え? そうなるん?!」と.そして同時に「なんか丸くなった?」と思ったんだけど,同時にこれまで運動系が苦手だった(だったのかな・・・?)女子がいきなり物を乗せてる貨車ロールを動かすのはかなり無茶があると思う.
これまでの経験的にね,まあどうでも良い事だけどな.
ただ,この救いの無さを描きまくった結果であるこのささやかな結末はほんと意表をつかれたなぁ・・・ 個人的にはハッピーハッピーで進んできた結果のこの結末.を見るのよりも,絶望の末の結末の方がよりチープで,物語としての臨場感を増していると思う.


まあ,そんな感じで「けいおん!」が好きな人も嫌いな人も,読めるならば読んだ方が良いと思う一冊です.


ちなみに同時に買ったその他の同人誌では『ホウカゴティータイム』が一番ムギュ成分が多くて楽しめたな.